CROSSARROW60の組み立て手順を解説します。
CROSSARROW60は半田付け不要の組み立てキットです。作成前に本ドキュメントを一読し、作業の流れや必要な部品等を確認してください。

CROSSARROW60

CROSSARROW60「クロスアロー ロクマル」は、英語配列をベースとした60%サイズのキーボードキットです。
以下の特徴があります。

  • 60%サイズで十字アローキーをレイアウト
  • シフトキー段のアルファベットキーの横位置がズレてない
  • スペースキーを小さくし、最下段のキー数を確保
  • 最上段のキーが全て1Uサイズ
  • 控えめに輝くアンダーグローLED
  • 半田部品の全てが実装済み
  • 自作キーボードのために設計した、オリジナルのRP2040マイコンボードを使用

部品一覧

パッケージリスト

キットに含まれる部品です。不足がないか確認してください。

部品名 個数 備考
メイン基板 1 (*1) 部品実装済み
スイッチプレート 1 (*1) キースイッチを取り付ける基板
ボトムプレートA 1 (*1)
ボトムプレートB 1 (*1)
KBDMicro-R 12P 1 A オリジナル設計のRP2040マイコンボード
コンスルー 2.5mm 4P 1 A ⑤に実装済み
コンスルー 2.5mm 8P 1 A ⑤に実装済み
M2スペーサー 2.5mm 2 A インサートナットをスペーサーとして使用
M2スペーサー 2mm 2 C インサートナットをスペーサーとして使用
M2スペーサー 2mm
(スレッドあり)
6 C 六角スペーサー
M2スペーサー 7mm 15 B 六角スペーサー
M2ナット 2 A 六角ナット
M2ネジ 7mm 2 A
M2ネジ 3mm 24 B
M2ネジ 2.5mm 10 C
ゴム足 10x2mm 4 C
スタビライザー 2U 3 D プレートマウントタイプ

※ 記号が記載された袋に分類されています。間違いやすい部品は別の袋に分かれていますので、混ぜないようにしてください。
(*1) 製造過程において、基板の表面にムラや若干のキズが入る場合がありますが、仕様の範囲内のためご了承ください。

別途追加で必要な部品

以下の部品はキットには含まれません。お好みのものをご自身でご用意ください

部品 個数 備考
CherryMX互換キースイッチ 65
CherryMX互換キーキャップ 65 1u: 53個
1.25u: 5個
1.5u: 2個
1.75u: 2個
2.25u: 2個
2.75u: 1個
レジェンドを気にしなければ、一般的なキーキャップ一式のセットで対応可能です。
USB-Cケーブル 1 CROSSARROW60とPCを接続するケーブル

 

基板の確認

①メイン基板と⑤マイコンボードにはバリが残っていますので、ヤスリで削って平らに整えます。(気にならなければそのままでも良いです)
基板のバリ取りには、ダイヤモンドヤスリが使いやすいです。
また、基板のエッジ部分をマーキングペンで塗ると、仕上がりが引き締まった感じになります。

 

バリが残ってる

バリを除去

 
 

エッジがそのままの状態

エッジをマーキングペンで塗った状態

 

組み立て

メイン基板

  1. ①メイン基板の表側(写真の位置)から、⑬M2ネジ(7mm)を差し込み、反対側から⑧M2スペーサー(2.5mm)で固定します。
  2. ⑤KBDMicroをメイン基板の裏側から取り付けます。
  3. ⑫M2ナットで固定します。
 

1-1 ネジ穴の位置

1-2 表側から挿入

1-3 スペーサーで固定

 
 

2-1 KBDMicroを取り付け

2-2 表側の様子

3 ナットで固定

 

スタビライザー

こちらを参考にしてスタビライザーを組み立てます。(組み立て済みの場合もあります)

スイッチプレート

  1. 組み立てたスタビライザーを写真の位置に取り付けます。切り欠けのある側がジョイントの方向になります。(3箇所)
  2. スイッチプレートの数箇所に⑱キースイッチを取り付けます。
  3. スイッチプレートをメイン基板に取り付けます。スイッチのピンが折れないように注意してください。
  4. メイン基板側から⑪スペーサー(7mm)を挿入し、スイッチ基板側から⑭M2ネジ(3mm)で固定します。15箇所あります。
 

1-1 スタビライザーの取付場所(3カ所)

1-2 スタビライザー取り付け

1-3 スタビライザー取り付け

 

2-1 スイッチを数カ所に取り付ける

3-1 メイン基板に取り付け

3-2 メイン基板に取り付け

3-3 ピン折れ注意

 

4-1 メイン基板側からスペーサーを挿入

4-2 スイッチプレート側からネジで固定

4-3 全部で15カ所

 

ボトムプレートA

  1. ボトムプレートAの写真の2箇所に、⑨M2スペーサー(2mm)を⑮M2ネジ(2.5mm)で固定します。向きに注意してください。
  2. ③ボトムプレートAをメイン基板に、CROSSARROW60のエンボスロゴが見える向きに合わせます。
  3. ⑭M2ネジ(3mm)で、ボトムプレートAを固定します。9箇所あります。
  4. ⑩M2スペーサー(2mm/スレッドあり)で、ボトムプレートAを固定します。6箇所あります。
 

1-1 エンボスロゴのある側

1-2 反対側から固定

 
 
 

2 メイン基板に合わせる

3 ネジ止め9カ所

4 スペーサー固定6カ所

 

ボトムプレートB

  1. KBDMicroを隠すようにして、④ボトムプレートBをボトムプレートAに、MUKUNESSのエンボスロゴが見える向きに合わせます。
  2. ⑮M2ネジ(2.5mm)で、ボトムプレートBを固定します。8箇所あります。
  3. ゴム足を貼ります。
 

1 ボトムプレートAに合わせる

2 ネジ止め8カ所

3 ゴム足

 

残りのキースイッチ、キーキャップを取り付けたら組み立て完了です。

 

全てのキースイッチを取り付け

全てのキーキャップを取り付け

 
 
 

動作確認

KBDMicroには、あらかじめ、デフォルトキーマップのファームウェアが書き込まれているため、この状態で動作を確認できます。(※)
CROSSARROW60とPCを⑳USB-Cケーブルで接続し、以下のキーマップの通りに入力できることを確認してください。

デフォルトキーマップ

※ デフォルトのファームウェアは以下からもダウロードできます。(zipファイルを解凍して使用してください)

キーマップの変更

キーマップを変更するには、マップファイルを編集し、ファームウェアをビルドする必要があります。
ファームウェアのビルド環境の構築については、以下を参考にしてください。以降は、こちらの手順で構築された環境を前提に説明します。

QMK MSYSの起動

スタートメニューから”QMK MSYS”を起動します。
以下のコマンドを実行して、QMK Firmwareのルートディレクトリに移動します。

cd /c/qmk_firmware

自分用のキーマップを作成

以下のコマンドを実行して、CROSSARROW60の自分用のキーマップを作成します。
※-kmオプションに好きな名前を指定します。(本説明は、”mymap”で進めます)

qmk new-keymap -kb mukuness/crossarrow60 -km mymap

デフォルトのキーマップがコピーされ、自分用のキーマップ mymap が作成されました。
一度、ビルドしてみましょう。

qmk compile -kb mukuness/crossarrow60 -km mymap

ビルドしたファイルを確認します。mukuness_crossarrow60_mymap.uf2 が存在すれば、ビルド成功です。

ls -l .build/

マップファイルの編集

以下のファイルを編集します。(お好みのテキストエディターをお使いください)

keyboards/mukuness/crossarrow60/keymaps/mymap/keymap.c

以下はデフォルトキーマップの定義です。KC_1, KC_2, KC_A, KC_B, …のキーコードを自分用に書き換えます。
キーコードはQMKのドキュメントを参照してください。

[0] = LAYOUT_9x9(
    QK_BOOT,
    KC_ESC , KC_1   , KC_2   , KC_3   , KC_4   , KC_5   , KC_6   , KC_7   , KC_8   , KC_9   , KC_0   , KC_MINS, KC_EQL , KC_GRV , KC_BSPC,
    KC_TAB , KC_Q   , KC_W   , KC_E   , KC_R   , KC_T   , KC_Y   , KC_U   , KC_I   , KC_O   , KC_P   , KC_LBRC, KC_RBRC, KC_BSLS,
    KC_CAPS, KC_A   , KC_S   , KC_D   , KC_F   , KC_G   , KC_H   , KC_J   , KC_K   , KC_L   , KC_SCLN, KC_QUOT,          KC_ENT ,
    KC_LSFT,          KC_Z   , KC_X   , KC_C   , KC_V   , KC_B   , KC_N   , KC_M   , KC_COMM, KC_DOT , KC_SLSH, KC_UP  , KC_RSFT,
             KC_LCTL, KC_LALT, KC_LGUI, MO(1)  ,          KC_SPC ,          KC_RGUI, KC_RALT,          KC_LEFT, KC_DOWN, KC_RGHT
),
[1] = LAYOUT_9x9(
    XXXXXXX,
    KC_PWR , KC_F1  , KC_F2  , KC_F3  , KC_F4  , KC_F5  , KC_F6  , KC_F7  , KC_F8  , KC_F9  , KC_F10 , KC_F11 , KC_F12 , KC_INS, KC_DEL ,
    _______, KC_VOLD, KC_VOLU, KC_MUTE, _______, _______, _______, _______, KC_PSCR, KC_SCRL, KC_PAUS, _______, _______, _______,
    _______, RGB_VAD, RGB_VAI, RGB_SPD, RGB_SPI, _______, _______, _______, _______, _______, _______, _______,          KC_PENT,
    _______,          RGB_TOG, RGB_MOD, RGB_HUD, RGB_HUI, _______, _______, _______, _______, _______, _______, KC_PGUP, _______,
             _______, _______, _______, _______,          _______,          _______, _______,          KC_HOME, KC_PGDN, KC_END
)

[0]が通常のキータイプで入力されるキーコードで、[1]が”MO(1)”(いわゆるFnキー)を押しながら入力されるキーコードです。

ファームウェアのビルド

マップファイル keymap.c を保存し、もう一度以下のコマンドを実行して、ファームウェアをビルドします。

qmk compile -kb mukuness/crossarrow60 -km mymap

mukuness_crossarrow60_mymap.uf2 が作成されたことを確認します。

ls -l .build/

ファームウェアの書き込み

  1. KBDMicroからUSB-Cケーブルを抜きます。
  2. KBDMicroのBOOTボタンを押しながら、KBDMicroにUSBケーブルを差し込みます。(ボトムプレートBを外した状態での作業がやりやすいかも)
  3. OS上では、外付けドライブとしてマウントされます。(※)
  4. ファームウェアのビルドで作成したファイル mukuness_crossarrow60_mymap.uf2 をマウントされたドライブにコピーします。
  5. 自動的にドライブがアンマウントされ、KBDMicroにファームウェアが書き込まれます。

※ デフォルトのキーマップでは、メイン基板のBOOTボタンを押下することで、USBケーブルを抜き差しすることなく外付けドライブとしてマウントできます。(QK_BOOTが割り当てられているため)

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